【00033】家族がうつ病になりました。どのように対応したらいいですか

A:そっとしておくのが一番です。

大切な家族がうつ病と言われたら心配になります。なんとかしてあげたいと思うのは当然ですが、うつ病の家族はなにもしないことが一番重要です。

最近では、うつ病の患者さんに「がんばれ」と言ってはいけないことはかなり世間に広まってきました。そのため「病気の治療、がんばってね」などとは言わないであろうと思います。しかし「がんばれ」と同じニュアンスのある言葉もよくないのです。例えば「早く良くなってね」とか「元気になるのを待ってるから」というのはすべて「がんばれ」と同じニュアンスです。もちろん、患者さんの家族の方は患者さんのことを思って言っているのでしょうが、そんなことを言われた患者さんは「早く治らないといけない」と思ってしまい、「がんばれ」といわれたときと同じような悪い反応が出ることが多いです。

あと、「気晴らしにでかけよう」などもよくありません。うつ病のときにどんな楽しいところに出かけても気持ちは晴れません。むしろつらいだけです。「おいしいものを食べに行こう」も同じです。うつ病の患者さんはなにを食べてもおいしく感じません。

ではどうしたらいいのでしょうか。それはそっとしておくのが一番です。患者さんが寝たいというのなら寝かせておきましょう。うつ病は治る病気です。うつ病が治れば患者さんは一人で起きてきます。うつ病が治れば患者さんの方から外出しようと言ってきます。おつらいでしょうが、患者さんの家族の方はそれまでなにもしないことです。それが一番早く治る道です。注意したいのは、水を飲んでるか、最低限の食事はとれてるかは見守っていてください。とくに水をとらないと脱水を起こしますので水分はしっかりとらせるようにしてください。それ以外はなにもせず、患者さんが寝たいなら寝かせておいてください。声かけも必要ありません。

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