Q:【00035】難治性のうつ病の場合、どうしたらいいのですか。

A:薬剤の追加、変更及びmECTが考えられます。

うつ病の治療の基本は、ゆっくり休むこと十分量十分時間の抗うつ剤の服用です。まずはお仕事を休んでゆっくり休みます。そして医師の指示通り抗うつ剤を服用することが重要です。抗うつ剤は4~8週で効果が出てきます。では4~8週経過してもまったく効果がない場合はどうしたらいいのでしょうか。

1.別の抗うつ剤を追加する。

抗うつ剤にはいくつかの種類があります。違う種類の抗うつ剤を追加してみるといことがまず最初に行われることです。

2.抗うつ剤の増強剤を追加する。

少量の抗精神病薬が抗うつ剤の効果を増強させることがよく知られています。抗精神病薬はドーパミンの量を調整するものですが、少量の抗精神病薬でうまくドーパミンの量を調整することでうつ病がよくことがあります。これもよく使われている方法です。

3.三環系抗うつ薬を使う。

最近よく使われる抗うつ薬は比較的新しい薬であるSSRI、SNRIなどです。それに対し、古くからある三環系の抗うつ剤は効果も強いですが、副作用も強いことが知られています。副作用が出にくいように少量から開始します。難治性のうつ病には効果があります。

4.mECTをつかう

mECT(電気けいれん療法)という方法あります。麻酔をして患者さんを眠らせて痛くない状態にしてから頭部に電流を流します。電流を流すのは一瞬であり患者さんは麻酔で眠っているので記憶はありません。

mECTは重症のうつ病の場合に最も効果のある方法だとされています。ただし麻酔が必要であるため麻酔科医がいるような大きな病院でないと取り扱っていません。まずは薬物調整を行ってどうしてもうまくいかない場合の最後の手段として行うことが多いです。

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